組織におけるがん細胞についてのミニ考察。
よく組織というのは、人間の身体に例えられることがある。
面白いもので(いや、当事者としては全く面白くもなんともなく、むしろ被害被っているので、たまったもんじゃないんですが)、組織にがん細胞が発生すると、たちまち機能不全が始まるものなのだ。
大きな組織の、ほんの一部ならば、それは増殖しなければ、目に見える生産性の低下は見えづらいものです。
しかしながら、10名~30名程度の中小企業のような組織においては、ものすごい影響力がある。
言い方は悪くて失礼...がん細胞というのは、健康な周囲の細胞をむしばみかねない。当の元凶のがん細胞は、悪意がなかったり、正論をぶちまけたりするものだから質が悪いのだが、周囲の健康な細胞が死んでしまうのは組織としてはつらい。
つまり、周囲の社員のエンゲージメント低下を巻き起こしかねないのだ。さらに悪いことには、見えづらいところで、負のエネルギーの影響が出る。その人と仕事を進めないといけないが、自分が一番正しいと思っているからには、少しのミスも許されないし、正解のないビジネスという環境の中で、少し成果が出ないだけで、文句を言われたり、陰口をたたけれたりするというのは、一般社員からすると恐怖になってしまう。
そのことにより、会社のために必要だと思うことを提案できなかったりするというのは、もはや「心理的安全性」のかけらもない。
そんなことを、いくつかの事例の話を聞いて、感じるのです。
昭和と平成の労働時間に関する話題を聞いて
昭和の高度経済成長期の日本人の労働時間と、現在の労働時間の比較の話をテレビで見ました。経済成長期の労働時間が現在より年間500時間ほど多いという感じで、新人は夏休みもないというような語られ方がしていましたが、もう少し捕捉をしてもわないといけないかも。
高度経済成長期の方々の築いてこられた礎のもとに現在があるという前提ですが、当時と今では背景や環境が違い過ぎる!(笑)
今は情報技術の発達により、コンピューターや機械による処理速度が相当速くなっています。その中で仕事をしているので、同じことをやるにしても、その生産性は圧倒的に異なる気がします。とはいえ、人間はそこまでいきなり進化しないので、ものすごくそれは疲れる気もしますね。1日に「判断」をするための体力(脳みその体力)みたいなものがあると聞きます。
あと、私が時々行く理髪店のマスターは、当時のことをよく知っているので、話を聞かせてくれる。
あの頃(昭和)は、
- 午前中はみんなボーっとしていた。
- 午後もお茶をしたりしながら(ほぼ雑談)仕事の話をしていた
- 夕方くらいから気合を入れて仕事をした
- 夜は思い切り遊ぶ、飲みに行く
- 翌朝はやっぱり二日酔いからスタートするのでボーっとする
こんなサイクルの人が大勢いたそうです。
某銀行の管理職や上層部の方々が実際こういう感じだったそう。
でもその雑談の中から、面白いアイデアや、取引が生れたりもしやすかったのでしょう。遊ぶことが仕事も兼ねていた、だから「モーレツ社員」として頑張れたのかもしれません。
現代よりもワークライフインテグレーション、ワークアズライフ!という感じかもしれません。
いずれにせよ、現代と過去を並列に並べて比較することは、単純にはできないよって思います。
小さな習慣を読んで
「小さな習慣」という本を読んだ。
成果を出すためには習慣が命。そう思い続けているし信じている私ですが、習慣を続けることができない。
理由はいくつかあると思います。
欲張りな性格なのか、たくさんのことを一気にやりたくなる。
あとけっこう頑張らないといけないような習慣や目標を立てがち。
自分の性格を物語っています。
わかってはいたけど、小さな習慣を目標にすることの大切さを改めて認識しました。
コツは「ばかばかしいほど簡単な習慣にすること」が大切であるということです。
このブログも100文字でも書いたらOKという感じで、書き始めました。するとこの時点ですでに270文字かけている。
つまり「いざ、はじめてみる。やってみる。」ことが大事ということなのです。モチベーションというのは、行動したら後からついてくるものというもの。
そして意志が弱いわけではなく、目標の立て方が間違っていたということにも気づかせてもらったわけです。
内容としては、その7割くらいは、なぜ小さな習慣が大事なのかという「科学的証明」を様々な論文や調査研究結果から述べたりが中心。ですが、これでもかってくらい大切さがわかる。
「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」より考え方の基礎を学ぶ。
「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を先日読んだので、その備忘録です。
森岡さんの苦闘が描かれていて、とてもリアルでした。
エンターテイメントの一大テーマパークのお話ですが、かなりB2Bやその他のB2Cビジネスでも適用できそうなことが盛りだくさんでした。
その一例をまとめたいと思います。
「方向性を間違えたこだわり」を打破すること
限られた経営資源を消費者価値の向上に正しくシフトさせること
過去の成功体験に縛られ過ぎ、前例を打破するやり方に踏み出せない。そんな風土を変えることこそが、最大の敵かもしれないと述べられています。これは本当にそう思う。企業の規模を問わないです。
「差別化という名の誤ったこだわり」もその一つ。
例えばUSJが「映画」のテーマパークということで差別化することにこだわり続けたほうがいいという考え方もそう。
実際に映画はエンターテイメントの一部に過ぎないという認識をすることが大切。映画だけに絞ったニッチ市場で小さく細々とビジネスをしていくなら、それもありなのかもしれないけれど、スケールしない。
だから映画だけにとらわれることをやめて、世界最高のエンターテイメントのセレクトショップにするという位置づけにしたことで、アニメやゲームなどの世界観も取り入れていくことで、顧客層を広げたということ。
最高のエンターテイメントテーマパークとして感動をつくることと定義しなおしたのですね。
そういえばスーパーマリオのエリアも建設が始まるんですよね。
ワンピースしかり、モンスターハンターしかり、エヴァンゲリオンや、バイオハザードなどなど、映画以外がしっかり集客に寄与しているのは、すごくわかる。実際に私も行きたくなってますし、それが季節イベントだとしたら、年に何回か行きたくなる=年間パスポートを買うとかになりそう。
ハリーポッターも、リニューアルされたスパイダーマンも行ってみたい。まんまと術中にはまる平均的家族の図(笑)
私の話はともかく...大切だと感じたのは、顧客のほうを向かずに変なこだわりを持ちすぎていないかということ。
マーケターは何でも自分でやってみることを習慣にする
これはそう思う。例えばブログやSNSをやってみることだってそうだし、少額で何か広告を出してみるとか(個人でも出せる時代)、顧客目線に立つためにその人たちが実際にやっていることを思い切りやってみるとか。そうすることでアイデアも生まれるもの。
解決策を発想するための必要条件を書き出す
これ、アイデアをしぼるためにとても重要だと思いました。
人は制限をするほど逆にアイデアが生れるものともいいますし!
のちに登場する「イノベーション・フレームワーク」の「戦略」の部分にあたるようです。
というわけで、とても参考になるフレームワークの話。
イノベーション・フレームワークについて
- フレームワーク
- リアプライ
- ストック
- コミットメント
この4つを意識してみる。
フレームワークには戦略的フレームワークと数学的フレームワークが紹介されています。
戦略的フレームワークは、「目的→戦略→戦術」の順番で考えていく。考えるべきアイデアの必要条件を決めることで、各段に良いアイデアを生める確率が上がる。
数学的フレームワークは、例えば100をA(50)かB(50)に分けて、Aを選ぶと、さらにそれをC(25)とD(25)にわけてと進んでいくと、最後は必ず宝にたどりつくという論理的思考。
リアプライは、既にあるものをうまく「真似」をすること。パクるのではなく、例えばビジネスモデルだけをもらったり、良いとこどりをするイメージでしょうか。ゼロから生み出すことが偉いのではなく、それよりも顧客に価値を届けることの方が大事という認識を持つことが大前提。
ストックは、日ごろからアンテナをはって物事にふれること。例えばエンタメに徹底的に触れ続ける、遊びまくることだってストックを増やすことにつながっているというような考え方もアリ。
コミットメントは、その名の通り、あきらめずに最後までやろうとする気持ちの持ちよう。絶対になんとかするという気持ち。
これを機に、アイデアの思考法を訓練してみようと思う。
「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は実践的で本質的なことをガチで学べる気がした。
もう3度目になるが、「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を、昨年末に読んだ。
いくつか備忘録としてメモをしておきたいと思う。
- バラエティに富んだマーケティングチームをつくる。
スペシャリストや経験者ではなくてもいい。例えばデジタルな世界に慣れ親しんで遊んでいる人、収集や分析をすることが好きな人、コンテンツづくりが好きな人など。 - 社員に自由を与えよう
かしこまった企業っぽい情報発信に固執せず、社員にはガイドラインを設けつつも自由にふるまわせる。プレスリリースだって、自由な書式や文体だっていい。ソーシャルメディアを各自が活用したらいい。 - リスクをとり挑戦して失敗しても素早く学ぶこと
- 新しいカテゴリーをつくってしまう、既存の業界やカテゴリーの境界線を書き換える
- 他人とは異なる自分でいたい人を狙え。変わり者を理解し、そこから市場を作り出す。
- 変わり者を育てる。
HPやブログやメルマガや動画や写真など他社を真似しなくていい。 - コミュニティこそが、自分たちが何者であるかを決める。企業は自分たちの考えを顧客に押し付けることはできない。
- マーケティングのメッセージをコントロールしようとしない。
意味不明な言葉をHPや印刷物から取り除く。一方的な発信をやめる。自社について好意的に書いてくれている顧客やユーザのブログのリンクを貼ったりして自らコミュニティに入っていく。 - 忠実なファンを大切にする。
- ファンと直接つながる。
- リーチを増やす。
あらゆるSNSやRSS登録者やメルマガ登録者などを増やしていく。各チャートをつくって、リーチを月5%増やすことを目標に。 - コンテンツを無料にすることでリーチを増やそう。
- 得ようと思ったらまず与えなければならない。
- 本当にやりたいことをやる。遊びと仕事は裏腹ではない。
このようなところが個人的にポイントだと思った。
社員の得意分野・強みを活かしながら、チームをつくり、各自がSNS等で自由にふるまうことをよしとする。コミュニティ(顧客やユーザや応援者)こそが、企業・製品が何者であるかを決めるものであり、企業側から押し付けることはできない。ファンと直接つながり、忠実なファンを大切にすること。得ようと思ったらまず与えなければならない。無料コンテンツやSNS等を活用しながらリーチを増やしていく。そして本当にやりたいことをやり続ける(仕事は遊びのように楽しいもの)。
実践できることはけっこうある。
グレイトフル・デッド自身が1960年代からやっていたことは、今に通じること。つまり、流行りや廃りがない本質的なマーケティングの話。
しかも机上の空論ではなく、ナチュラルに実践をしてきた結果生まれたもの。もちろんバンドの実力や音楽性があってこそなのだけれど。
すっごく良い音楽を奏でるストリートミュージシャンやプロの卵ってきっといます。それは良い製品をつくっても顧客に知ってもらえない、ファンになってもらえない数々の企業製品・サービスに近いものを感じます。
- 作者: デイヴィッド・ミーアマン・スコット,ブライアン・ハリガン,糸井重里,渡辺由佳里
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 133回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
とある管理職の、ある週末の反省文。
マルチタスクが極まると、どれもこれも中途半端になるので、1つ1つ集中してクリアしていくないと、今更ながら気づいたけれど、明日からそれがうまく実践できるかどうか怪しいです。こんばんは。
超優秀なマネージャー(管理職)ならともかく、世の中の多くのマネージャーは手さぐりでプロジェクトをまわしていたり、部下を育成していたり、業績をあげようと努力しておられるはず。
今日は感じた反省点を2つほど。
1つ目は、マネジメントに関わらずありえる話ですが。
メンバーに多くの選択肢を与えた多数決をとろうとすると、だいたいうまくいかない。
結局、それぞれのイメージで物言うもんだから、まとまらない。
それならばいっそ、誰かに思い切って任せちゃうか、自分が独断で決めちゃうほうが早い。それでもメンバーの意思を尊重するならば、選択肢を3つまでに絞ることだ。
2つ目は、だいたい業務が非効率になっていると感じているときは、判断をするものが多くなり、棚上げしているものが多いということ。
方向性だけ自分で決めて、どちらがいいか決めておいたら、あとは忘れて、最終決裁者に相談を仰ぐ、でいいはずなのだ。
とはいえ、最強のタスク管理ツール、プロジェクト管理ツールがほしいと思う昨今。つくっちゃうか?今日も夜がふけてゆく。
形骸化しまくるMBOについて必要なことをぼやぼやと考えてみた。
おそらくは多くの企業で形骸化しちゃっている目標管理(MBO)について考察してみたいと思う。
いわずもがな、MBOはManagement by Objectiveであり、目標にもとづき管理する方法。
戦略からブレークダウンし、組織の目標、部門の目標、チームの目標、そして個人の目標となる。
ただ形骸化している多くの企業では、業績目標を単純に個人まで分配していることがほとんどで、私も20代前半にはそういった会社におりまして、MBO面談ではその数字に対して「握る」という名の“コミットメントの強要”とも思しき手法で、目標を“立てさせられる”のです。
名ばかりのプロセス目標のようなものも並行してつくるのですが、それらも同様な感じです。
右も左もまだまだ分からない新人相手なら型から入るというのも大事だと思うのですが、いかんせんそのMBOを振り返るのも四半期に1度程度。9割9分の社員がMBO面談の1週間前とか2週間前くらいから慌ててその目標やプロセス目標に目を通して、“辻褄”をあわせようとしてくる。
これが評価に直結するのだからお粗末な感じだ。ゆえに業績の結果にのみ注目した評価になっていたように思う。
補足的に言うが、これまた形ばかりの360度評価もあったなぁ。
このあたりって難しい問題です。
本来の本質的なMBOは、いかに自発的に目標を立てて、自律的にアクションプランを立てて、そのプロセスをデイリーもしくはウィークリーくらいでフィードバックしたりリフレクションしたりしながら進めるものなのだと思う。自発的に目標を立てて自律的に動いてもらうためには、そもそもの企業や組織に対する従業員エンゲージメントなるものがないと機能しないものだと思う。
そういえば読んでなかった先生からの宿題、「日本のMBOの問題」をもう少し読んでみよう(笑)